社会保険労務士 福岡事務所/竹中社会保険労務士事務所
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           実務に役立つ!! Q&A   
                                       
       
     
     新企画「実務に役立つ!Q&A」のコーナーでは、顧問先の皆様や読者の
 
   皆様から寄せられたご質問を、Q&A方式でご紹介します。
   第一弾は、
「労働時間」に関する質問をシリーズで採り上げます。   





2009/03/03 265号掲載  


  【Q】

  
ワークシェアリングなどで労働時間が短縮されたり賃金の低下によりニ重勤務を会社が

  許可されることがありますが、うちの会社と別の会社で通算して一日8時間を超えて働く

  ことになった場合、労働時間や割増賃金の取扱いはどうなるのでしょうか?
 

   
   【A】

   
パートタイムに限らず、労働者が複数の会社で働いているような場合では、労働時間は

   
別々ととらえずに、通算してとらえることになっています。
  
   (「労働時間は、事業を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については

   通算する」」労働基準法第38条第1項)

    また、
「事業主を異にする事業場において労働する場合も含まれる」と 解されています。
   
   (昭和23.5.14基発第769号))


    例えば、A社で6時間、B社で3時間働いた場合、一日の法定労働時間である8時間を

   1時間超えることとなり、36協定の締結はもちろんのこと、時間外割増賃金の支払義務が

   生じることになります。
   
   では、どちらに時間外割増賃金の支払義務が生じるでしょうか?


     この例ではB社となります。

   通達で
「法定労働時間外に使用した事業主は法第37条に基づき、割増賃金を支払わなけ

   
ればならない」とされています。
   
   (昭和23.10.14基収第2117号)


   労働契約を取り交わす前にきちんと確認した上で、適正に契約書の作成・締結をしなければ

   なりませんね。






2009/02/24 264号掲載  


  【Q】

   電話当番が必要なため、「休憩」を交代制にすることは可能ですか?


   
   【A】

   休憩時間については、

  1)労働時間の途中に付与すること(途中付与の原則)

    2)一斉に付与すること(一斉付与の原則)

    3)自由に利用させること(自由利用の原則)

    が、定められています。

   平成11年4月1日の労働基準法改正により、一斉付与の原則について改正が行われ、

  労使協定を締結した場合は、休憩を一斉に与えなくてもよいとされています。

  この労使協定には、

    1)一斉に休憩を与えない労働者の範囲

  2)一斉に休憩を与えない労働者に対する休憩の与え方

  を、定めることが必要です。

  なお、労使協定を次の事業は労使協定がなくても休憩を一斉に与えないことができます

  1)運輸交通業 2)商   業 3)金融・広告業 4)映画・演劇業

  5)通 信 業 6)保健衛生業 7)接客娯楽業  8)官公署の事業



   




2009/02/17 263号掲載  


  【Q】

   健康診断の時間は、労働時間として賃金の支払いが必要ですか?

   
   【A】

   会社が行う健康診断は、労働安全衛生法でその実施と労働者の協力ない し受診が義務付けられて

   います。

    原則的には、労使で協議して決めればよいのですが、受診に要した時間の賃金を会社が支払うことが

   望ましいとされています。 
  
    健康診断時の賃金支払いについては通達で、「一般健康診断は、一般的な健康の確保をはかることを

   目的として事業者にその実施義務を課したものであり、業務遂行との関連において行われるものではな

   いので、その受診のために要した時間については、当然には、事業者の負担すべきものではなく、労使

   協議して定めるべきものであるが、労働者の健康の確保は、事業の円滑な運営の不可欠な条件である

   ことを考えると、その受診に要した時間の賃金を事業者が支払うことが望ましいこと」とされています。

   (昭和47. 9.18基発602号)  
  
    ただし、特殊健康診断については、使用者の人事配置によって特殊な有害業務に従事し、業務の関連性

   があるため、労働時間とされます。

    行政解釈では、「特定の有害な業務に従事する労働者について行われる健康診断、いわゆる特殊健康診

   断は、事業の遂行にからんで当然実施されなければならない性格のものであり、それは所定労働時間内

   に行われるのを原則とすること。また、特殊健康診断の実施に要する時間は労働時間と解されるので、

   当該健康診断が時間外に行われた場合には、当然割増賃金を支払わなければならないものであること」と

   されています。

   (昭和47. 9.18基発602号)



  【関連記事】健康診断
  2007/12/25  平成20年4月より一般健康診断の健診項目が追加されます!
 http://www.e-brains.jp.org/topics20.html#2007/12/25


   




2009/02/10 262号掲載  


  【Q】

   当社は飲食店を経営していますが、スタッフが制服に着替える時間は、

   労働時間となるのでしょうか?


   【A】

   着替えなどの、いわゆる作業付帯行為に要する時間が労働時間に当たるかどうかは、


  
.その行為が業務を行う上で、必要不可欠である。

  
2.その行為が使用者の指揮命令下で拘束強制的に行われている。



  これらの二つの要件を満たす場合には、行為に要する時間は労働時間として取り扱われます。

  労働者の自由裁量による自由任意の時間は労働時間に該当しません。


  ここでいう「必要不可欠」な場合とは、
労働安全衛生法で定める防護服の着用など法令上義務付けられ

  ている作業着や保護具等の装着、社内の規則等で義務付けられているもの
を言います。


  制服の着用が災害防止上の見地、また使用者において作業能率の向上、職場秩序維持など経営管理上の

  見地から義務付けられた場合には、業務開始の準備行為として労働時間にあたるものと考えられます。






2009/02/03 261号掲載  


 
 【Q】

   1日の所定労働時間8Hのうち、半日有休(4H)を取得してから出勤し、

  6H働いた場合、2Hは残業として割増賃金は必要でしょうか?



   
【A】

   まずは、御社の就業規則で次の2点をご確認ください。

   1.年次有給休暇の取得単位

   2.規程上では、時間外割増賃金がどの時点から対象となるのか

   半日単位で取得することが可能であり、法定労働時間を超えた時点から時間外割増賃金となる場合、

  以下のとおりです。

   取得された
年次有給休暇は、労働義務が免除されるのであって実働とはみなされません。

  そのためご質問のように半休4時間分を取得された場合、6時間労働について終業時刻を

  超える2時間分は、賃金支払は必要ですが、
時間外割増賃金を支給する必要はありません。

   ただし、深夜時間帯にさしかかった場合は、その時間帯については深夜割増は必要となります。

  また、6時間を超える労働となった場合は、休憩を与える必要がありますので、注意しましょう。






2009/01/27 260号掲載


  
【Q】

   駅前の清掃を始業前に実施していますが、労働時間になりますか?



   
【A】

   
使用者の指揮命令があれば「労働時間」となります。

  労働時間は、労働契約を結んだ労働者が自己の労働力を使用者に提供し、

 その対価として賃金を得る時間、つまり労働力を提供する時間といえます。

  使用者の指揮命令下にあるか否かは、明示的なものである必要はなく、
  
  現実に作業に従事している時間のほかに、作業前に行う準備や作業後の後始末、

  掃除などが
使用者の明示または黙示の指揮命令で行われている場合も労働時間とされます。

   ご質問のケースが、地域社会への奉仕活動で、
労働者個人がボランティア活動として自発的に

  行われているもので、なおかつ参加も自由とされているような場合には、使用者の指揮命令に
 
  基づく労働とは考えられませんので、労働時間とはみなされません。
 






2009/01/20 259号掲載



  
【Q】

   国内・海外出張中に別の地域へ移動する場合の時間外の移動時間は、労働

  時間として算定されるのでしょうか。



  
【A】

  労働協約や就業規則などにおいて、出張時の実労働時間の算定にあたり

  「移動時間は含まれないこと」や「所定労働時間内の移動については実労働時間とはしないが

  賃金は減額しないこと」など規定していた場合は、
移動時間中に、特に具体的な業務を命じられて

  おらず、その間は眠っておろうが、飲食しようが、読書しようが全く自由で、労働者が自由に活動できる

  状態にあれば、拘束時間であっても労働時間ではなく、事業場内の休憩時間に類似した時間と解する

  のが相当
とされています。

   また、出張日程の途中に休日がある場合や,休日が移動日に当たる場合は、その当日に用務を

  処理すべきことを明示的にも黙示的にも指示していない場合は、その当日は休日として取り扱われます。

   「出張中の休日はその日に旅行する等の場合であっても、
旅行中における物品の監視等別段の指示が

  ある場合の外は休日労働として取扱わなくても差し支えない
」とする行政解釈があります。

                                        (昭23.3.17基発461号,昭33.2.13基発90号)

   出張先での業務の遂行に必要不可欠な物品を持っていくなどの場合は、単なる出張先への移動のみ

  ではなく、
移動中も物品の監視などの業務を行うことになるため、移動時間も通常の労働時間として

  取り扱い、時間外に移動となる場合は、所定の割増賃金を支払わなくてはなりません。


 


 

2009/01/13 258号掲載


 
【Q】

   当社は、会社の休日の土曜日に各従業員のスキルアップをはかるため、研修を実施しています。

  研修は自由参加ですが、出欠状況を賞与額算定の考課基準に加えています。自由参加ですので、

  労働時間とはならないと思うのですがいかがでしょうか。



 
【A】
 
  行政解釈では、「労働者が使用者の実施する教育に参加することについて、
就業規則上の制裁等の

  
不利益取扱による出席の強制がなく自由参加のものであれば、時間外労働にあたらない」としています。 

     その教育が、会社の主催するもので、社員にとっては職務内容、または職務と密接に関連するもので、

  参加しないと業務上支障が生じたり業務遂行上不利益になったりするケースで、使用者から特命があったり、

  参加しないことにつき人事考課上不利益に取り扱われるなど、たとえ自由参加としても、

  間接的強制として参加せざるをえないような場合は労働時間となります。

    御社の場合、自由参加ということですが、研修への出席状況は賞与査定の考課基準になるということ

  ですので、研修に参加しないことによって賞与が減額されるということになれば不利益な取扱いをうける

  ことになります。

    また、研修内容も各従業員のスキルアップをはかるものということですので、業務との関連性も強いと

  いえます。

    したがって、御社の研修時間は、労働時間に該当する可能性が高いと考えられます。





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